この記事を書いた人

内科、循環器専門医の資格を持ち、医師として数十年医療現場に立つ。
2026年冬頃、「尼崎」に内科・循環器内科・心臓内科のクリニックを開業予定。
動悸とは
動悸(どうき)とは、心臓の鼓動を自分で強く感じる状態のことを指します。
普段は意識しない心拍を「ドキドキする」「胸がバクバクする」と感じるとき、さまざまな原因が考えられます。
動悸の原因となる代表的な病気や状態
心臓の病気、精神的な要因、内分泌・代謝の病気、その他の要因が原因である場合があります。
原因からみた動悸の分類
心臓の病気
命に係わることがあり、注意が必要です。
原因として、心不全、狭心症や心筋梗塞、不整脈があります。
不整脈では心臓のリズムが乱れることで動悸を感じ、心房細動、心室性期外収縮、上室性頻拍、洞性頻脈などに分けられます。
心不全では、心臓のポンプ機能が低下して、血液をうまく送れないため、動悸(ドキドキ)、息切れ、むくみなどを伴います。
狭心症・心筋梗塞では、動悸と同時に胸の痛み、圧迫感が生じることがあり、要注意です。
精神的な要因
ストレスやメンタルの問題も動悸に大きく関わります。
発作的な強い不安とともに、動悸、呼吸困難、めまいなどが起きまし、緊張やストレスによって交感神経が過敏になり、動悸が出ます。心臓や内分泌・代謝の病気がなければ、当院では漢方薬も利用した治療ができます。
内分泌・代謝(ホルモン)の病気
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)や低血糖、まれですが褐色細胞腫という良性の腫瘍により、ホルモンバランスがくずれ、動悸を感じることがあります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)では代謝が異常に活発になり、心拍数が上昇します。
低血糖では血糖値が下がると交感神経が活性化し、動悸や冷や汗が出ます。
褐色細胞腫では副腎という臓器からアドレナリンが過剰に分泌され、発作的な動悸、高血圧が起こります。
大きな病院で精密検査が必要となることがありますので、まずは受診していただき、検査を進め、どの病院の何科にご紹介するのが良いか、相談しましょう。
その他の要因
貧血や脱水・熱中症、カフェイン、アルコール、甲状腺薬、喘息治療薬など薬剤の影響でも動悸がでてきます。
診断と治療
突然発作的に始まり数分〜数時間続く場合は不整脈のことが多く、特に安静にしていても頻繁に起こる場合には、不整脈のなかでも脳梗塞をおこしやすい心房細動かもしれません。
心電図に加えて、心臓に血の塊(血栓)がないか、血栓をつくりやすい体質なのかの検査を進め、治療を開始しましょう。
胸痛、息苦しさ、めまい、失神を伴う場合は狭心症、心筋梗塞や心不全であることがありま、すみやかな診断と治療が必要です。
特に年齢が高い方や心臓にご病気があった方は、注意が必要です。
当院では、循環器内科専門医として診断治療を行います。
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