この記事を書いた人


内科、循環器専門医の資格を持ち、医師として数十年医療現場に立つ。
2026年冬頃、「尼崎」に内科・循環器内科・心臓内科のクリニックを開業予定。

血管年齢検査(CAVI / PWV)とは

血管年齢検査は、血管の硬さを測定し、その結果から実際の年齢に対する「血管年齢」を算出する検査です。

CAVI(Cardio Ankle Vascular Index)やPWV(Pulse Wave Velocity)は、血管の状態を数値で示す方法として広く利用されています。

これらの検査により、血管の老化具合や動脈硬化の進行具合を把握し、将来的な心血管疾患のリスクを予測することができます。

CAVI(Cardio Ankle Vascular Index)

CAVIは、血管の硬さ・弾力性を定量的に評価する指標です。

CAVIは、心臓から足首までの血管の硬さを数値化し、動脈硬化の進行を示す重要な指標となります。

CAVIが高い場合は、動脈硬化が進んでおり、心血管疾患のリスクが高いことを示唆します。

PWV(Pulse Wave Velocity)

PWVは、脈が血管内を伝わる速度を測定する方法です。

脈の伝わるのが速いほど、血管が硬くなっていることを意味します。

PWVが高いということは、動脈硬化が進んでいることを示し、心血管疾患のリスクが高いことを示唆します。

血管年齢と動脈硬化の関係

血管年齢は、実際の年齢に対してどれだけ血管が老化しているかを示す指標です。

加齢に伴い血管は次第に硬くなり、動脈硬化が進行しますが、生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症など)や喫煙、ストレス、不適切な食生活などが原因で血管が早く老化することがあります。

動脈硬化が進むと、血管の柔軟性が失われ、血液の流れが悪くなり、心臓や脳への血流が減少します。

これにより、心筋梗塞や脳卒中、狭心症、末梢動脈疾患などのリスクが高まります。

血管年齢検査の重要性

血管年齢検査(CAVI/PWV)は、動脈硬化の早期発見に非常に役立ちます。

特に、高血圧や糖尿病、高脂血症などのリスク因子を持っている場合、血管年齢を測定して早期に対策を取ることが予防に繋がります。

また、血管年齢が高いと判定された場合、生活習慣の改善や薬物治療を早期に開始することで、将来的な心血管疾患を予防することが可能です。

AI搭載心臓超音波検査(心エコー)と血管年齢検査の組み合わせによる総合的な評価

当クリニックでは、AI搭載心エコーを導入しており、これに加えて血管年齢検査(CAVI/PWV)を行うことで、より総合的に心血管の健康状態を評価します。

具体的には、CAVIやPWVで血管の硬さや老化度合いを測定し、AI心エコーで心臓の動きや弁の状態を評価することにより、心血管の全体的なリスクを把握します。

血管が硬化している場合、心臓への負担が増している可能性があり、AI搭載心エコーを用いて心臓の機能をさらに詳細に調べ、個別に最適化された治療を提供できる点が当クリニックの大きな強みです。

これら検査を組み合わせることで、より精度の高いリスク評価が可能となります。

まとめ

最新の技術を活用した診断方法により、患者さま一人ひとりに合わせた迅速で正確な医療サービスを提供しています。