この記事を書いた人

内科、循環器専門医の資格を持ち、医師として数十年医療現場に立つ。
2026年冬頃、「尼崎」に内科・循環器内科・心臓内科のクリニックを開業予定。
弁膜症とは
心臓は、血液を全身に送り出すポンプとして重要な役割を果たしており、その働きを支えるのが「弁」と呼ばれる4つの構造です。
弁膜症は、これらの心臓の弁が正常に機能しない状態を指し、僧帽弁閉鎖不全症や大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症などが代表的な疾患です。
弁膜症が進行すると、血液の逆流や流れの乱れが引き起こされ、心臓に過剰な負担がかかり、最終的に心不全に至ります。
弁膜症の症状
弁膜症は、初期段階では症状が現れにくいことがありますが、病気が進行すると以下のような症状が現れることがあります。
*息切れ:運動時や日常の軽い活動で息苦しさを感じることが増える。
*疲れやすさ:少しの活動でも異常に疲れやすくなる。
*むくみ:足や手にむくみが現れることがある。
*胸の痛みや不快感:胸部に痛みや圧迫感を感じることがある。
*めまい:脳への血流が不足し、めまいやふらつきが生じることがある。
*動悸(ドキドキ感):心臓のリズムが不安定になることがあり、鼓動が激しく感じられる。
弁膜症が進行すると、心臓が血液を正常に送り出せなくなり、心不全や脳卒中など重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
したがって、早期の発見と適切な治療が非常に重要です。
弁膜症の原因と危険因子
弁膜症の原因にはさまざまなものがあります。
主な原因やリスク因子は以下の通りです。
*加齢:年齢が進むにつれて、弁が劣化したり、石灰化が進行することで弁膜症が発症することがあります。
*リウマチ熱:過去にリウマチ熱にかかったことがあると、弁が炎症を起こし、損傷を受けやすくなります。
*心筋梗塞:心筋梗塞により心臓の構造が変化し、弁の機能に影響を与えることがあります。
*先天性の異常:生まれつき心臓の弁に異常がある場合、弁膜症を発症しやすくなります。
これらの原因や危険因子がある場合、弁膜症のリスクが高くなるため、定期的な検査や早期発見が大切です。
弁膜症の診断と治療
弁膜症の診断には、問診、身体検査、心電図、血液検査、胸部X線などが行われますが、最も重要な検査は心臓超音波検査(心エコー)です。
AI搭載の心エコーによる精密な診断
当クリニックでは、AI搭載の心エコーを導入しております。
AIは心エコー画像を瞬時に解析し、弁の動きや血流の状態を詳細に評価します。
弁の形態や機能の異常を高精度で検出することができ、弁膜症の初期段階でも見逃すことなく正確に発見します。
これにより、早期に最適な治療を開始することが可能になります。
弁膜症の予防と管理
弁膜症の予防には、心臓の健康を維持することが重要です。
高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病を管理することが予防につながります。
また、定期的に心エコー検査を受け、心臓の状態を早期に確認することが重要です。
まとめ
弁膜症は、早期に発見し、適切な治療を行うことで進行を防ぎ、症状を軽減することができます。
AI搭載の心エコーにより、従来の方法では見逃されがちな微細な異常も正確に診断することができ、患者様にはより迅速で信頼性の高い医療を提供できます。
心臓の健康を守るためにも、定期的な検査を受け、早期に適切な治療を受けることが大切です。