~治療後も続く「だるさ」は珍しくありません~
がん治療後に多くの方が訴える症状のひとつが、強い倦怠感や疲労感です。「治療は終わったのに体が思うように動かない」「少し動いただけで疲れてしまう」といった声は、外来診療でも頻繁に聞かれます。これはがん関連疲労と呼ばれ、抗がん剤治療、放射線治療、手術などの影響が複合的に関与しています。
原因はひとつではありません
がん治療後の疲労感は、単なる体力低下だけでなく、
- 骨髄抑制による貧血
- 炎症性サイトカインの持続
- 筋力低下・活動量低下
- 栄養状態の悪化
- ホルモンバランスの変化
- 睡眠障害
- 不安や抑うつなどの心理的要因
などが重なって生じることが多く、「休めば治る」ものではない点が特徴です。
当院で行う評価と治療
当院では、血液検査などを行い、疲労の背景にある要因を評価します。貧血があれば鉄剤やビタミン製剤を検討し、栄養状態が低下している場合は食事内容の調整や栄養指導を行います。必要に応じて、軽い運動療法や生活リズムの見直しを提案し、無理のない範囲で体力回復を目指します。
漢方治療という選択肢
西洋医学的治療に加えて、漢方薬が役立つ場合もあります。
- 補中益気湯:疲れやすく食欲がない方
- 十全大補湯:体力低下や貧血を伴う場合
- 人参養栄湯:全身の衰えが目立つ方
症状や体質に応じて慎重に選択します。
「年齢のせい」「仕方ない」と思わずに
がん治療後の倦怠感は、適切な評価と対応で改善が期待できる症状です。治療後の体調不良でお悩みの方は、早めにご相談ください。
