この記事を書いた人

内科、循環器専門医の資格を持ち、医師として数十年医療現場に立つ。
2026年冬頃、「尼崎」に内科・循環器内科・心臓内科のクリニックを開業予定。
熱中症とは
熱中症とは、体温が異常に上昇し、体内の調節機能が追いつかなくなることで起こる症状の総称です。
「熱」が体の「中」にこもった状態で、軽度のめまいや倦怠感から、重度の場合は意識障害や生命の危険を伴うこともあります。
特に高温多湿の環境で長時間過ごす場合や、直射日光の下での作業(このため、熱射病ともいわれていました、)激しい運動を行う際に発症しやすいです。
原因
熱中症の主な原因は、体内の水分と塩分の不足や、体温の上昇に対する適切な調整ができなくなることです。
汗をかくことで体温を下げる仕組みが働きますが、水分や塩分の補給が不十分だと、体温が上昇し、体調不良を引き起こします。
また、年齢や体調、服装、日差しの強さも影響します。
主な症状
熱中症の症状は、軽度から重度までさまざまです。
軽度
めまい、立ちくらみ、倦怠感、発汗過多
中等度
頭痛、吐き気、筋肉のこむら返り
重度
意識障害、けいれん、高体温(40℃前後)
症状が進行すると命に関わることもあるため、早期の対応が重要です。
予防方法
熱中症は予防が非常に重要です。
以下のポイントを意識しましょう。
- 十分な水分補給(汗をかく前から定期的に)
- 塩分の適切な補給(スポーツドリンクや塩分入り食品)
- 直射日光を避け、帽子や日傘を使用
- 涼しい服装を心がける
- エアコンや扇風機で室内温度を適切に保つ
応急処置
熱中症が疑われる場合は、速やかに次の対応を行ってください。
- 涼しい場所へ移動
- 衣服を緩め、体を冷やす
- 水分と塩分を補給
- 意識障害や症状の悪化がある場合は、迷わず救急車を呼ぶ
点滴治療について
中等度から重度の熱中症では、口からの水分補給だけでは体内の水分や電解質(塩分)を十分に補うことが難しい場合があります。
そのような場合、当クリニックでは点滴治療を行います。
- 点滴によって、水分や塩分、必要に応じてブドウ糖などを体内に直接補給
- 体温や血圧の安定化を助ける
- 重度の熱中症では早期に点滴を行うことで、合併症や体調悪化を防ぐ
まとめ
熱中症は誰にでも起こり得ます。
日常生活での水分・塩分補給、適切な休息で予防できます。
万一、めまいや吐き気、意識の異常などがある場合は早めに受診し、必要に応じて点滴などの治療を受けてください。