夜中に足がつる…それ、甲状腺が原因かもしれません

「最近、夜中に足がつって目が覚めるようになった。」
「ふくらはぎがよくつる。」
「年齢のせいだと思っていた。」

このようなお悩みで受診される方は少なくありません。

こむら返りは、脱水や運動不足、加齢などが原因となることが多い症状ですが、実は甲状腺機能低下症が隠れていることがあります。

甲状腺ホルモンは「筋肉のエネルギー源」

甲状腺ホルモンには、全身の代謝を調節する働きがあります。

筋肉では、食べた栄養から効率よくエネルギー(ATP)を作り、筋肉をスムーズに動かす役割を担っています。

甲状腺ホルモンが不足すると、筋肉のエネルギー不足が起こり、収縮した筋肉が元に戻りにくくなります。

その結果、

  • 夜中に足がつる
  • ふくらはぎがけいれんする
  • 筋肉が硬く感じる
  • 筋肉痛が続く

といった症状が現れやすくなります。

「筋肉が力を抜けなくなる」ことが原因です

筋肉は縮んだ後、すぐに元の長さへ戻ります。

この「力を抜く」ためにはエネルギーが必要です。

甲状腺機能低下症ではエネルギー不足になるため、筋肉が十分に弛緩できず、こむら返りが起こりやすくなります。

また、筋肉を動かすカルシウムの調節も乱れるため、筋肉が過敏になり、少しの刺激でもけいれんを起こしやすくなります。

夜間に起こりやすい理由

夜間は

  • 軽い脱水
  • 筋肉の冷え
  • 長時間同じ姿勢

などが重なります。

健康な方であれば問題にならない程度の変化でも、甲状腺機能が低下していると筋肉が対応しきれず、こむら返りが起こりやすくなるのです。

足がつるだけではありません

甲状腺機能低下症では、こむら返り以外にも次のような症状がみられることがあります。

  • 疲れやすい
  • 体がだるい
  • 寒がりになった
  • むくみやすい
  • 体重が増えた
  • 肌が乾燥する
  • 声がかすれる
  • 便秘
  • 脈がゆっくりになる
  • コレステロールが高くなる

これらの症状は「年齢のせい」と思われがちですが、甲状腺の病気が原因であることも少なくありません。

血液検査でわかります

甲状腺機能低下症は、血液検査で比較的簡単に診断できます。

特に、

  • こむら返りを繰り返す
  • 原因がよく分からない筋肉痛がある
  • 健康診断でコレステロールが高いと言われた
  • だるさや寒がりが続いている

という方は、一度甲状腺機能を調べてみることをおすすめします。

治療で改善することが多い症状です

甲状腺ホルモンが不足している場合は、不足分を補う治療を行います。

ホルモンが正常に戻るにつれて筋肉のエネルギー代謝も改善し、多くの方でこむら返りや筋肉のだるさは数週間から数か月かけて軽くなっていきます。

また、ビタミンD不足や電解質異常が重なっている場合は、それらを補うことでさらに改善が期待できます。

「足がつるくらいなら仕方がない」と我慢している方は少なくありません。

しかし、こむら返りは体からのサインであり、甲状腺機能低下症やビタミンD欠乏症など、治療可能な病気が隠れていることがあります。

特に、「疲れやすい」「寒がり」「むくみ」「コレステロールが高い」といった症状を伴う場合には、一度原因を調べてみる価値があります。 当院では、こむら返りの背景にある病気まで含めて丁寧に評価し、一人ひとりに合わせた治療をご提案しています。「年齢のせい」と決めつけず、お気軽にご相談ください。