排尿時の痛み・頻尿は膀胱炎かもしれません~梅雨時期の「隠れ脱水」にもご注意を~

「トイレが近い」
「排尿するとしみる」
「尿が残っている感じがする」

このような症状がある場合、膀胱炎の可能性があります。

また、

  • 健診で「尿潜血」を指摘された
  • 一度だけ血尿が出た
  • 尿が濁っている気がする

といった症状をきっかけに受診される方も少なくありません。

膀胱炎は女性に多い病気ですが、男性や高齢者にもみられます。適切な治療で改善することがほとんどですが、放置すると腎盂腎炎など重い感染症へ進展することもあります。

膀胱炎の主な症状

膀胱炎では次のような症状がみられます。

  • 排尿時の痛み
  • 頻尿
  • 尿意切迫感(急に強い尿意を感じる)
  • 残尿感
  • 尿の濁り
  • 血尿

一方で、

  • 発熱
  • 悪寒
  • 背中や腰の痛み

を伴う場合は、腎臓まで感染が及んだ「腎盂腎炎」の可能性があり、早めの受診が必要です。

尿検査で概ね診断できます

膀胱炎の診断は、まず尿検査で行います。

尿中の潜血や白血球、細菌の有無を確認することで、多くの場合は診断が可能です。

そのため、「まずは尿検査を受けてみる」ことが大切です。

症状が典型的で検査結果も一致していれば、その日のうちに診断・治療を開始できます。

一方で、

  • 治療しても改善しない
  • 何度も繰り返す
  • 血尿が続く
  • 発熱を伴う

といった場合には、尿培養検査や超音波(エコー)検査など、より詳しい検査が必要になることがあります。

男性の膀胱炎は、前立腺肥大症や前立腺炎などの背景疾患が隠れていることもあります。

梅雨時期に増える「隠れ脱水」

6月から夏にかけては、膀胱炎の患者さんが増える印象があります。

その理由の一つが「隠れ脱水」です。

梅雨の時期は湿度が高く、のどの渇きを感じにくくなります。

一方で、私たちの体は呼吸や皮膚から常に水分を失っています。また、気温の上昇とともに発汗も増えています。

その結果、「水分は足りていると思っていたのに、実際には軽い脱水状態だった」ということが少なくありません。

尿量が減ると、膀胱内で細菌が洗い流されにくくなり、膀胱炎のリスクが高まります。

特に高齢者では喉の渇きを感じにくいため注意が必要です。

お薬が原因になることもあります

最近では糖尿病や心不全、慢性腎臓病の治療薬として、

  • フォシーガ®
  • ジャディアンス®
  • カナグル®
  • スーグラ®

などのSGLT2阻害薬が広く使用されています。

これらのお薬は、糖尿病の治療だけでなく、心不全や慢性腎臓病の進行抑制効果も期待できる非常に重要なお薬です。

一方で、尿中へ糖を排泄する作用があるため、体質や状況によっては尿路感染症や外陰部感染症を起こすことがあります。

服用中の方で、

  • 頻尿
  • 排尿時痛
  • 尿の違和感

が出現した場合には、膀胱炎の可能性も考慮する必要があります。

自己判断でお薬の服用を中止せず、症状がある場合はご相談ください。

高齢者では症状がはっきりしないことも

高齢者では、

  • 元気がない
  • 食欲がない
  • なんとなくだるい
  • 微熱が続く

といった症状だけで受診され、尿検査で膀胱炎や尿路感染症が見つかることがあります。

「年齢のせいかな」と思っていた不調の原因が、実は尿路感染症だったというケースもあります。

頻尿=膀胱炎とは限りません

頻尿や尿の違和感があると、まず膀胱炎の可能性を疑いますが

  • 過活動膀胱
  • 前立腺肥大症
  • 糖尿病
  • 尿路結石
  • 薬剤の影響
  • 骨盤臓器脱(女性)

などでも似た症状がみられます。

特に糖尿病では、血糖値が高い状態が続くことで尿量が増えたり、尿路感染症を起こしやすくなったりすることがあります。

また、前立腺肥大症では尿が膀胱内に残りやすくなり、膀胱炎を繰り返す原因となることもあります。

「頻尿だから膀胱炎」と決めつけるのではなく、その背景に別の病気が隠れていないかを確認することも大切です。

当院では尿検査に加え、必要に応じて血液検査等を行い、症状の原因を総合的に評価しています。

まとめ

膀胱炎は比較的よくみられる病気ですが、多くの場合は尿検査で診断が可能です。

一方で、

  • 水分不足による隠れ脱水
  • SGLT2阻害薬などのお薬
  • 糖尿病
  • 前立腺肥大症
  • 尿路結石

などが背景に隠れていることもあります。

排尿時の痛みや頻尿、残尿感、血尿などの症状がある方は、我慢せず早めにご相談ください。

当院では尿検査による迅速な診断に加え、必要に応じて血液検査や超音波検査を行い、症状の原因を総合的に評価しています。

「膀胱炎だと思っていたら糖尿病が見つかった」「頻尿の原因が前立腺肥大症だった」というケースもあります。

また、頻尿や残尿感は「年齢のせい」と考えられがちですが、治療可能な病気が隠れていることもあります。

当院では膀胱炎の診断・治療だけでなく、糖尿病や高血圧、心不全、慢性腎臓病などの背景疾患も含めて総合的に診療しています。 気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。