大動脈瘤の症状にはどんなものがある?

大動脈瘤は、心臓から全身に血液を送る太い血管「大動脈」がこぶのように膨らんだ状態をいいます。初期の大動脈瘤は自覚症状がほとんどなく、健診や検査で偶然見つかることが多い病気です。しかし、進行すると胸や背中、腹部に鈍い痛みや圧迫感を感じることがあります。大動脈瘤が破裂すると、突然の激しい胸や背中、腹部の痛み、血圧低下、意識消失など命に関わる症状を引き起こします。

大動脈瘤の原因は何?

大動脈瘤の原因として最も多いのは動脈硬化です。高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿病といった生活習慣病がリスクを高めます。そのほか、先天的な結合組織の異常(マルファン症候群など)、感染や外傷によるものもあります。加齢も大きな要因であり、男性や高齢者に多く見られる傾向があります。

大動脈瘤はどんな検査でわかるの?

大動脈瘤の診断には画像検査が中心となります。超音波検査(エコー)は腹部大動脈瘤のスクリーニングに有効で、放射線被曝もなく安全です。CT検査は大動脈瘤の位置や大きさを正確に評価でき、手術の必要性を判断するうえで重要です。MRIも血管の状態を詳細に評価できる検査として使われます。健診で指摘された場合は、精密検査を受けることが勧められます。

大動脈瘤は何科を受診すればいいの?

大動脈瘤が疑われる場合は、まず循環器内科心臓血管外科の受診が適切です。胸部にある胸部大動脈瘤は心臓血管外科、腹部にできる腹部大動脈瘤は血管外科が主に担当します。症状がある場合や健診で異常を指摘された場合は、早めに専門医のいる医療機関を受診しましょう。

大動脈瘤の手術にはどんな方法があるの?

大動脈瘤が大きくなると破裂の危険が高まるため、手術が検討されます。手術には2つの方法があります。

  • 人工血管置換術(開胸・開腹手術):瘤になった部分を人工血管に置き換える方法で、従来から行われている標準的な治療です。
  • ステントグラフト内挿術(EVAR/TEVAR:カテーテルを使い、大動脈内にステント付き人工血管を入れて瘤を内側から覆う方法。体への負担が比較的小さく、高齢者にも行いやすい治療です。

患者さんの年齢や体力、瘤の部位や形によって適切な手術方法が選ばれます。

大動脈瘤と余命には関係があるの?

大動脈瘤は放置すると破裂のリスクがあり、破裂した場合の死亡率は非常に高いとされています。一方で、破裂する前に適切に診断され、手術や経過観察が行われれば、予後は大きく改善します。瘤の大きさや増大スピード、全身の健康状態によって余命は変わりますが、早期発見と治療が何よりも重要です。


大動脈瘤は症状が出にくいため「沈黙の病気」とも呼ばれています。健診で指摘された場合や動脈硬化のリスクがある方は、循環器内科で検査を受けることが安心につながります。早期発見と適切な治療によって、破裂という重大なリスクを未然に防ぐことが可能です。